Anthropicの新モデル群(Fable 5 / Mythos 5 / Sonnet 5 / Opus 4.8)の違いと価格、プランごとの使い分けを、業務にAIを実装する立場から整理する。2026年7月時点。
2026年の前半、Anthropicのモデルの名前が一気に増えた。Sonnet 5、Opus 4.8、そして新顔のFable 5とMythos 5。お客さまとの打ち合わせでも「結局どれを使えばいいのか」という質問が続いたので、業務にAIを実装する立場から、いちど整理しておく。価格や提供条件は2026年7月時点のもので、この分野は数か月で変わる。
この記事の要点
Anthropicのモデルは長らく「Haiku(小)・Sonnet(中)・Opus(大)」の三段構えだった。2026年、この上にもう一段できた。それが「Mythosクラス」で、一般提供版がFable 5、承認組織向けがMythos 5だ。
会社にたとえると、それぞれの立ち位置はこうなる。
Fable 5とMythos 5は同じモデルだ。違いは安全対策で、Fable 5にはサイバーセキュリティや生物・化学などの機微な領域で回答を制限する仕組みが入っている。Mythos 5はその制限を外した版で、審査を通った組織(セキュリティ専門家や医学研究者など)にだけ提供される。普通の会社が業務で使うぶんには、この違いを気にする必要はほとんどない。
API(システムに組み込んで使う場合)の価格はこうなっている。100万トークンあたりの米ドルで、入力/出力の順。
| モデル | 入力 | 出力 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| Haiku 4.5 | $1 | $5 | 定型の分類・抽出はこれで足りる |
| Sonnet 5 | $2→$3 | $10→$15 | 本命。8月末まで割引価格 |
| Opus 4.8 | $5 | $25 | 難所の保険 |
| Fable 5 | $10 | $50 | 最上位。Sonnet 5の約5倍 |
※ Anthropic公式の価格表(2026年7月時点)。Sonnet 5は2026年8月31日まで導入割引($2/$10)で、9月1日から標準価格($3/$15)になる。
数字を三つだけ覚えておくといい。
5倍
Sonnet 5とFable 5の価格差
100万トークン
新世代の文脈の広さ(本数百冊ぶんを一度に)
30%増
新トークナイザーでの消費量の目安
最後の「30%増」は見落としやすい。Fable 5・Sonnet 5・Opus 4.7以降は文章の数え方(トークナイザー)が変わり、同じ文章でも約3割多くトークンを消費する。単価だけ比べると請求額の予想がずれるので、実装するときは実測で見る。
いちばん賢いモデルが、
いちばん良い選択とは限らない。
モデル選びの基準は、性能表ではなく「その仕事で間違えたらいくら損するか」だと考えている。
性能で選ぶ
常に最上位モデルを使う。品質は上がるが、日次処理では費用が5倍になり、差が出ない仕事のほうが多い。
間違いの値段で選ぶ
やり直しが利く仕事は安いモデル、間違いが高くつく仕事にだけ上位モデル。費用は仕事の重さに比例する。
位置関係を面で見ると、こうなる。右上に行くほど高くて賢い。大事なのは、たいていの業務が左下〜中央の範囲に収まるということだ。
価格 × 仕事の複雑さ
具体的にはこう割り振っている。
Fable 5の強みは「長く複雑な仕事ほど差が広がる」ことだとAnthropic自身が説明している。逆に言えば、短い定型処理では差が出にくい。私たちの案件でも、毎日回るバッチ処理にFable 5を使う理由は今のところ見つかっていない。
ここまではAPIの話。ブラウザやアプリでClaudeを使う場合(claude.ai)は、プランで使えるモデルが変わる。
| プラン | Sonnet 5 | Opus 4.8 | Fable 5 |
|---|---|---|---|
| Free | 標準モデル | — | — |
| Pro | 標準モデル | 使える | 利用量クレジット制 |
| Max / Team / Enterprise | 使える | 使える | 利用量クレジット制 |
※ Fable 5は提供開始直後(2026年6月9日〜22日)は各有料プランに含まれていたが、需要過多のため6月23日以降は利用量クレジット制に移行した。Anthropicは容量が確保でき次第、標準提供に戻すとしている。従量課金のAPI経由では制限なく使える。
つまりチャット利用なら、迷う余地はあまりない。Proプランに入ればSonnet 5とOpus 4.8が使えて、日常の相談・文書作成はそれで十分だ。Fable 5を試したくなったら、そのときにクレジットを買えばいい。
半年後にはまた名前が増えているだろうから、個別のモデル名より、選び方の型を持っておくほうが長持ちする。
どのモデルを選ぶかより、「どの仕事にどの道具を割り当てるか」を設計するほうが効く。そしてそれは、モデルが世代交代しても使い回せる。
SOURCE
Anthropic — Claude Platform Docs: Pricing
platform.claude.com/docs/en/about-claude/pricing
SOURCE
Anthropic — Introducing Claude Fable 5 and Mythos 5
anthropic.com/news/claude-fable-5-mythos-5